クドゥイユ Coup d'oeil

数学、物理、経済、プログラミング、モデリング、作曲。

電磁気学の備忘録


みやすさ重視で雑ですがあしからず———

クーロンの法則、ビオサバールの法則、ローレンツ

 \boldsymbol{E}:\ 電場、 \boldsymbol{D}=\varepsilon\boldsymbol{E}:\ 電束密度
 \boldsymbol{H}:\ 磁場、 \boldsymbol{B}=\mu\boldsymbol{H}:\ 磁束密度

クーロンの法則(Coulomb's law)
荷電粒子間にはたらく電場は電荷量に比例し、距離の二乗に反比例する。
\begin{align}
\boldsymbol{E}=\frac{q}{4\pi \varepsilon_0}\frac{\hat{\boldsymbol{r}}}{|\boldsymbol{r}|^2}
\end{align}

ここで \varepsilon_0\simeq 8.8541878128 \cdot 10^{-12}[F/m]は真空誘電率(permittivity of vacuum)
話はそれるが、permit は透過する・通過するという意味があるのでそれに能率という意味をもつ ~tivityをつけることで permittivity になるんだなあ。一見ややこしい英単語も語源に着目すれば簡単に覚えられる。

ビオ・ザバールの法則(Biot–Savart law)
微小な長さの電流要素 I d\boldsymbol{l}によって r離れた位置に作られる微小な磁束密度 d\boldsymbol{B}
\begin{align}
d\boldsymbol{B}=\frac{\mu_0 I}{4\pi}\frac{d\boldsymbol{l}\times \hat{\boldsymbol{r}}}{|\boldsymbol{r}|^2}
\end{align}

ここで \mu_0 \simeq 1.25663706212 \cdot 10^{-6}[N/A^2]は真空透磁率(permeability in vacuum)で、 \varepsilon_0\mu_0=1/c^2である。

permit には透過するという意味があるけど、さらに語源をたどると per にもそのような意味があるので同様に、能力という意味を持つ ability を付け加えて per me abillity になるんだろうなあというのは分かるんだけど、真ん中の me はなんだろう? 多分「磁」という意味に近いんだろうと思う。だとしても magnet が me になるか。。。?

ローレンツ力(Lorentz force)
電磁場中で運動する荷電粒子が受ける力は
\begin{align}
\boldsymbol{F}=q(\boldsymbol{E}+\boldsymbol{\upsilon}\times\boldsymbol{B})
\end{align}

「この世界がそのような物理法則を選んだから。」で済ませられるかもしれないが、それでも粒子の動く向きと磁束密度(磁場)の向きにわざわざ垂直になるように対して力が発生しなければならないというのは、不思議な感覚である。
余談だけど、トリック1の4話で、村から人が消えるという怪奇現象について尋ねられた上田次郎が、適当にローレンツ力の説明をして、「それじゃ鍋とか木も消えてないとおかしくないべか?」みたいなツッコミをされていたのが印象的だった。トリックはシーズン1だけでも3周した。なつかしい。。。 *1

ガウスの定理、ストークスの定理

ベクトル場 \boldsymbol{E}に対して

ガウスの定理(Gauss' theorem, divergence theorem)
\begin{align}
\int \rm{div} \boldsymbol{E}\ dV = \int \boldsymbol{E}\cdot \boldsymbol{n}\ dS
\end{align}
ストークスの定理(Stokes' theorem)
\begin{align}
\int \rm{rot} \boldsymbol{E}\cdot \boldsymbol{n}\ dS = \int \boldsymbol{E}\cdot d\boldsymbol{s}
\end{align}

積分を面積分に、面積分を線積分へと変換することができる式だ。空間に対して連続的に変化するベクトル場という概念だからこそ成り立つ式だろう。ガウスの定理はつまり、とある体積内での場の発散は、その境界面においての場の法線成分を足し合わせることでできるということであるが、一度図として理解するととても当たり前のことのように感じる。もし人類より知能の高い宇宙人がいるとしたら、これくらいの積分は計算するまでもなく直感で導き出せてしまうのかもしれない。*2
ストークスの定理は同様に、とある曲面での場の回転の法線成分を足し合わせたものというのは、そのフチでの場の成分をフチにそって足し合わせたものと等しくなるということで、これも一度図で理解すればその理由が容易に理解できる。というかこれはウィトゲンシュタインのいう単なる言語ゲームで、最初は式の意味がわからないのはそれは式の構成要素、つまり単語の意味についての認識が不十分だからで、一度図を書くなり調べるなりして自分の中でその単語の意味についての正しい認識を固めていくことで、単語について理解したときには式の意味も理解できるようになっているというだけのことなのかもしれない。

マクスウェルの方程式

マクスウェルの方程式(Maxwell's equations)
\begin{align}
\rm{div} \boldsymbol{E} &= \frac{\rho}{\varepsilon_0}\\
\rm{div}\boldsymbol{B} &= 0\\
\rm{rot} \boldsymbol{E} &= -\frac{\partial\boldsymbol{B}}{\partial t}\\
\rm{rot}\boldsymbol{B} &= \mu_0 \boldsymbol{i} + \frac{1}{c^2}\frac{\partial \boldsymbol{E}}{\partial t}
\end{align}

ここで、 \rho, \boldsymbol{i}はそれぞれ電荷密度、電流密度で、点電荷のときはデルタ関数で表せる。

上からそれぞれ、
 ・ガウスの法則(Gauss's law)
 ・磁場のガウスの法則(Gauss's law for magnetism)
 ・ファラデーの電磁誘導の法則(Faraday's law of induction)
 ・アンペール・マクスウェルの法則(Ampère's circuital law with Maxwell's addition)
と呼ばれる。

二番目の式は磁束保存の式ともいわれる。

百聞は一見にしかずというのなら、百見は一方程式にしかずともいうべきか、第一式は電束密度の発散が電荷密度そのものであることを示し、第二式は磁気モノポールが存在しない(磁束の湧き出しがない)こと、第三式は磁束密度(磁場)の時間変化に伴って渦のように電場が生じること、そして第四式は同様に電束密度の時間変化に伴ってだけでなく電流さえあれば磁場は発生するのだということを示している。

しかし、磁気単極子の存在についてはいまだスーパーカミオカンデなどで観測が試みられていたり、1931年にディラックがその存在を仮定した上で上式とは別の形のマクスウェルの方程式を導出していたり、それはそれで奥深かったりするので一概に今知られている物理法則が絶対に正しいとは信用しては行けないようだ。といっても、私達の生活環境において近似的に成り立っていることには変わりない。

もし磁気モノポールが存在するなら、磁荷 gが電磁場から受け取る力は \boldsymbol{F}=g(\boldsymbol{H}-\boldsymbol{\upsilon}\times\boldsymbol{D})となるらしく、ローレンツ力と比較してもまさに電場と磁場が双対な関係であることが見て取れる。もしそうだとしたら、この世界は対称的でなんて美しいことだろうか? それともそれはただの対称性という甘い蜜に吸い寄せられる学者への罠で、世界は非対称であることを前提としているのか? そもそも対称であることは完全なのか? なぜ人間は対称であることを求めるのか? 理解するのが楽だから? 確かに、非対称であるよりは、対称である事の方が確率が低く、従って対称であるようにして導かれた双対の関係は真である可能性が高い。しかしだからといって、それが絶対に真である必然性はない。

また平成24年の首都大学東京PDFで、理論的に磁気モノポールを実験室で作れることを示したと書かれているが、なぜか記載されている原論文のURLが無効で真贋の確認ができなかった。*3


電磁ポテンシャル、ゲージ変換

電磁ポテンシャル

任意の空間ベクトル \boldsymbol{A}で、 \rm{div}\ \rm{rot}\boldsymbol{A}=0\ が計算によってわかる。
なので磁場のガウスの法則(磁束保存の式)から、 \boldsymbol{B}=\rm{rot}{\boldsymbol{A}}とおける。
よって、ファラデーの電磁誘導の法則は

\begin{align}
\rm{rot}\boldsymbol{E} + \frac{\partial \boldsymbol{B}}{\partial t}=\rm{rot}\left(\boldsymbol{E} + \frac{\partial \boldsymbol{A}}{\partial t} \right) = 0\tag{1}
\end{align}

となるが、 \boldsymbol{E}=-\rm{grad}\ \phi - \frac{\partial \boldsymbol{A}}{\partial t}とおくと、これは静電ポテンシャル \boldsymbol{E}=-\rm{grad}\ \phiの一般化となっており、また (1)\ を満たす。
 \phi,\ \boldsymbol{A}\ の組を「電磁ポテンシャル(Electromagnetic vector potential)」という。

ここで、 \rm{div}\ \rm{grad}\ \phi=\Delta\phi\ より、ガウスの法則は

\begin{align}
-\rm{div}\boldsymbol{E}=\Delta\phi+\rm{div}\frac{\partial \boldsymbol{A}}{\partial t}=-\frac{\rho}{\varepsilon_0}
\end{align}

となる。また、 \rm{rot}\ \rm{rot}\boldsymbol{A}=\nabla\times(\nabla\times\boldsymbol{A})=\rm{grad}\ \rm{div}\boldsymbol{A}-\Delta\boldsymbol{A}\ が成分の計算で分かるから*4アンペール・マクスウェルの法則は

\begin{align}
\rm{grad}\ \rm{div}\ \boldsymbol{A}-\Delta\boldsymbol{A}=\mu_0\boldsymbol{i}+\frac{1}{c^2}\frac{\partial}{\partial t}\left(-\rm{grad}\ \phi-\frac{\partial \boldsymbol{A}}{\partial t}\right)
\end{align} \begin{align}
\left(\Delta - \frac{1}{c^2}\frac{\partial^2}{\partial t^2}\right)\boldsymbol{A} - \rm{grad}\left(\rm{div}\boldsymbol{A}+\frac{1}{c^2}\frac{\partial}{\partial t}\phi\right)=-\mu_0 \boldsymbol{i}
\end{align}

と変形できる。以上をまとめると

\begin{align}
\Delta\phi+\rm{div}\frac{\partial \boldsymbol{A}}{\partial t}=-\frac{\rho}{\varepsilon_0}\tag{2}
\end{align}\begin{align}
\left(\Delta - \frac{1}{c^2}\frac{\partial^2}{\partial t^2}\right)\boldsymbol{A} - \rm{grad}\left(\rm{div}\boldsymbol{A}+\frac{1}{c^2}\frac{\partial}{\partial t}\phi\right)=-\mu_0 \boldsymbol{i}\tag{3}
\end{align}\begin{align}
\boldsymbol{B}=\rm{rot}\boldsymbol{A},\ \boldsymbol{E}=-\rm{grad}\ \phi - \frac{\partial \boldsymbol{A}}{\partial t}
\end{align}

となる。

ゲージ変換

ここで、任意の空間ベクトル \ \chi\ に対して \rm{rot}\ \rm{grad}\ \chi=0\ が成り立つから、 \boldsymbol{B}=\rm{rot}\boldsymbol{A}\ は、変換 \boldsymbol{A}=\boldsymbol{A^{\prime}}+\rm{grad}\ \chi\ に対して不変(invariant)である。このとき \phi = \phi^{\prime} -\frac{\partial \chi}{\partial t}\ とすると、 \boldsymbol{E}=-\rm{grad}\ \phi - \frac{\partial \boldsymbol{A}}{\partial t}\ に対しても不変にできる。この電磁ポテンシャルの変換を「ゲージ変換(Gauge transformation)」という。

ここで、

\begin{align}
\rm{div}\boldsymbol{A}+\frac{1}{c^2}\frac{\partial}{\partial t}\phi=\rm{div}\boldsymbol{A^{\prime}}+\frac{1}{c^2}\frac{\partial}{\partial t}\phi^{\prime}+\left(\Delta-\frac{1}{c^2}\frac{\partial^2}{\partial t^2}\right)\chi
\end{align}

であるから、

\begin{align}
\left(\Delta-\frac{1}{c^2}\frac{\partial^2}{\partial t^2}\right)\chi=-\rm{div}\boldsymbol{A^{\prime}}-\frac{1}{c^2}\frac{\partial}{\partial t}\phi^{\prime}
\end{align}

とすれば、 (3)式の第2項を0にすることができ、つまり、

\begin{align}
\rm{div}\boldsymbol{A}+\frac{1}{c^2}\frac{\partial}{\partial t}\phi=0
\end{align}

ローレンツ条件)を得るので、 (3)式は

\begin{align}
\left(\Delta - \frac{1}{c^2}\frac{\partial^2}{\partial t^2}\right)\boldsymbol{A}=-\mu_0 \boldsymbol{i}
\end{align}

となる。また (2)式にローレンツ条件を適用すると、

\begin{align}
\left(\Delta - \frac{1}{c^2}\frac{\partial^2}{\partial t^2}\right)\phi=-\frac{\rho}{\varepsilon_0}
\end{align}

であるから、上記をまとめて「ローレンツゲージにおけるマクスウェルの方程式

\begin{align}
\begin{cases}
&\left(\Delta - \frac{1}{c^2}\frac{\partial^2}{\partial t^2}\right)\phi=-\frac{\rho}{\varepsilon_0}\\
& \left(\Delta - \frac{1}{c^2}\frac{\partial^2}{\partial t^2}\right)\boldsymbol{A}=-\mu_0 \boldsymbol{i}\\
& \rm{div}\boldsymbol{A}+\frac{1}{c^2}\frac{\partial}{\partial t}\phi=0
\end{cases}
\end{align}

を得る。

尚、四元ポテンシャル(Electromagnetic four-potential) A^{\mu}:=(\phi/c, \boldsymbol{A})、四元電流密度(Four-current) \boldsymbol{J}:=(\rho c, \boldsymbol{i})、ダランベルシャン(d'Alembertian) \Box:=\frac{1}{c^2}\frac{\partial^2}{\partial t^2}-\Delta を用いて、上2式は

\begin{align}
\therefore\ \Box A^{\mu}=\mu_0 \boldsymbol{J}
\end{align}

と簡略化できる。


\begin{align}
\end{align}

*1:懐かしいと言っても結局は1年前とかそんなもんなんだけど、貧乏には変わりなかったけど稼ぐためにただひたすらアプリ開発をしていて、あまりにも精神的にきつかったためコーディングしながらドラマを見ていた。アプリの設計図を作ったらそれを壁に貼ることで、あまりアプリ開発に集中しなくてもコードが書けるのだ。3Dモデリングをしているときも同じ要領で、それでドラマを20〜30本、映画を300本くらい見た。もし人生が有限でなかったなら、世の中にあるすべての映画・ドラマ・小説をみたいし、これまでの全ての歴史を知りたい。しかし実際には、無限という存在からするとそのような情報を得る膨大な時間でさえも限りなく矮小である。とはいえどの道全ての歴史を知ることはできない。なぜなら始皇帝の時代に焚書された書物、チンギスハンによって侵略された国の書物などそもそもこの世から消えてしまった本が多くある上に、革命によって打倒された王朝は史実を歪めてまで貶される傾向にあったり、新約聖書など後世になって政治的な都合によって盛られたりといった例もあるので、どこまで信用していいかわからないものも多い。したがってタイムマシンの開発が待たれる。 

*2:はじめアルゴリズムという漫画の主人公がまさにそんな感じだった。まだ1巻しか買えてない

*3:しかも(もし本当であれば)すごい結果であるにも関わらず、「磁気モノポール 首都大学東京」で調べてもなぜか当時の記事や2ch掲示板しかヒットせず10年たっても目新しい情報が出ていないということは、多分結果が間違いだったか、誰かが実在の教授などの名前を借りて巧妙なイタズラ記事を作っただけなのかもしれない。(最初は全部ウソだと思ったけど、教授の名前とか電話番号は本物なんだよなあ......)

*4:成分の計算でも分かるが、パッと思い出したいときに使える考え方がある。平行でない空間ベクトル \boldsymbol{a}, \boldsymbol{b}, \boldsymbol{c}\ について、 \boldsymbol{b}\times\boldsymbol{c}\  \boldsymbol{b}, \boldsymbol{c}\ に対して垂直であり、 \boldsymbol{a}\times(\boldsymbol{b}\times\boldsymbol{c})\ はその \boldsymbol{b}\times\boldsymbol{c}\ に対して垂直であるため結局この3重積は \boldsymbol{b}, \boldsymbol{c}\ に対して同一平面上に存在する。したがって、スカラー \ p, q\  \boldsymbol{a}\times(\boldsymbol{b}\times\boldsymbol{c})=p\boldsymbol{b}+q\boldsymbol{c}\ となるものが存在する。両辺に \ \boldsymbol{a}\ 内積すると p(\boldsymbol{a}\cdot\boldsymbol{b})+q(\boldsymbol{a}\cdot\boldsymbol{c})=0\ より、スカラー \ r\  p=r(\boldsymbol{a}\cdot\boldsymbol{c}),\ q=-r(\boldsymbol{a}\cdot\boldsymbol{b})\ とおけるが、\ \boldsymbol{a},\ \boldsymbol{b},\boldsymbol{c}\ に適当な特殊値を代入して \ r=1\ であるとわかる。これにより、 \begin{align} \boldsymbol{a}\times(\boldsymbol{b}\times\boldsymbol{c})=(\boldsymbol{a}\cdot\boldsymbol{c})\boldsymbol{b}-(\boldsymbol{a}\cdot\boldsymbol{b})\boldsymbol{c} \end{align} が成り立つ。また、右辺を並び替えることでアルファベットが「バック・キャブ(bac cab)」となるというカスみたいな覚え方もある。

デルタ関数をガンマ関数で微分すると反復指数になる

 e^x積分すると初等関数で表せるのに、 e^{e^x}積分すると高等関数になるのはなぜか。
同様に、 \log x積分すると初等関数で表せるのに、 \log\log x積分は高等関数になるのはなぜか、それは指数が一段階増えるごとに全く別の世界になるからである。*1

話は変わるが私は前に一度数学の世界を抜け出して、今までエンジニアとしてディープラーニングを含むITの技術を学習したり3Dゲームを作ったりしてきたが今頃になって、大学数学と物理を勉強し直している。といっても怪しげなものでなく、しっかり大学のカリキュラムに則って自分で参考書を買って超弦理論M理論を目指して独学している。あとMIT、そしてNASAに入りたい。 


研究らしい研究はブログに書けないくらい長くなっちゃうので、このブログではメモ代わりにちょっとした思いつきというかすぐに忘れそうだけどおもしろい自由研究みたいなものを書きたい。


ヘヴィサイドの演算子法において、D=\frac{d}{dx}とする。
このとき xの関数 f(x)に対して

\begin{align}
e^Df(x)=f(x+1)
\end{align}

はよく知られた事実だ。これは左辺の e^Dが、 関数を1だけずらす並進作用素であると捉えることもできる。
いちおう過程を示しておくと、

\begin{align}
e^Df(x)=\left(\sum^{\infty}_{n=0}\frac{D^n}{n!}\right)f(x)=\sum^{\infty}_{n=0}\frac{f^{(n)}(x)}{n!}
\end{align}

ここで右辺は、 f(x+a) a=0についてテイラー展開したものに a=1を代入したものであるので、 f(x+1)となるわけだ。
さっきは f(x)のことをただ関数とだけ述べたが、上式では無限階微分にまで考えているので、必然的に f(x) C^{\infty}級であることが要請される。

また同様に、 e^{aD}f(x)=f(x+a)もわかる。これはつまり、逆に f C^{\infty}でさえあれば、形式的にでも e^{aD}という演算子が並進作用素の役割を担う記号であると認識できるのではないだろうか。 

ならば、指数関数だけでなく、高等関数のようなものを使ってみたらどうなるのだろう?
上記では並進について述べることができたが、もしかしたら考える関数によってたとえば回転、発散、加算、乗算、冪、テトレーションなどの演算を、とある微分の関数を使って表せることができるかもしれない。仮にすべての演算に対してそのような関数があるならその対応関係からなにかさらに発展した事柄に結べつけられそうな気もするが、微分というものが果たしてそこまで本質的なのだろうか。なぜ、曲線の傾きを求めようとして始まった微分という演算が、数学の中で解析学という一大分野を築き上げるほど深遠な性質を持たなければならなかったのか。なぜ人類は、ニュートン及びライプニッツ微積分を発明してからこの数百年間、この演算子に縛られ続けているのだろうか。分数階微分学や、擬微分作用素というものはあるが、微分という概念を超える画期的な「何か」はないのか。それとも、その「何か」が代数学幾何学といったものなのだろうか。千年後、二千年後の人類は、一体どんな数学を扱っているのだろう。
いつもそんなことが気になって仕方がない。


...というのはただの独り言で、下記とは関係ない。


ここでガンマ関数
\begin{align}
\Gamma(s):=\int^{\infty}_{0}e^{-t}t^{s-1}dt
\end{align}

 sの部分に微分演算子 Dを入れて関数を作用させてみると、
\begin{align}
\Gamma(D)f(x)&=\int^{\infty}_{0}e^{-t}t^{D-1}dt f(x)\\
&=\int^{\infty}_{0}e^{-t}e^{(\log t) D}f(x)\frac{dt}{t}\\
&=\int^{\infty}_{0}e^{-t}f(x+\log t)\frac{dt}{t}\\
&=\int^{\infty}_{-\infty}f(x-t)e^{-e^{-t}}dt\\
\end{align}

ここで、最後の行で t\to e^{-t}という変数変換を行っている。
また、畳み込み積分の定義

\begin{align}
(f*g)(x)=\int^{\infty}_{-\infty}f(x-t)g(t)dt
\end{align}

より最後の式は、反復指数函数 \exp^{n}_{a}(x)=a^{a^{\cdot^{\cdot^{\cdot^{a^x}}}}} n個の aの上に xが乗っている)を使うと

\begin{align}
\Gamma(D)f(x)=(f*\exp^2_{1/e})(x)\tag{1}
\end{align}

と表せる。つまり、ガンマ関数で微分するとその関数は、その関数と反復指数との畳み込み積分に変換されるということになる。ただ反復指数の部分に関しては eを反復するか e^{-1}を反復するかという違いしかないので、添字部分にわざわざ 1/eなどと書くのは気が引ける。なので反転(Reversed)反復指数関数なるものをつくってそれを \ \rm{rexp}\ もしくは \ \rm{rex}\ とでも表記してやればスマートにかけるのだが、あくまでも自由研究の範囲なので面倒なことはしたくないし、胡散臭さに拍車がかかってしまいそうなのが嫌だ。

とにかく、微分演算子の世界においては、ガンマ関数に反復指数の畳み込みが対応しているというところが本質なのだと思う。


一方で、畳み込み積分においては、次のような等式が成り立つ。

\begin{align}
\mathcal{F}[f*g]=\mathcal{F}[f]\mathcal{F}[g]
\end{align}

ここで \mathcal{F}フーリエ変換
いちおうこの式を示しておくと、

\begin{align}
\mathcal{F}[(f*g)(x)]&=\int^{\infty}_{\infty}(f*g)(t)e^{-2\pi i xt}dt\\
&=\int^{\infty}_{\infty}\int^{\infty}_{\infty}f(t-u)g(u)e^{-2\pi i xt}dudt\\
&=\int^{\infty}_{\infty}\int^{\infty}_{\infty}f(t)e^{-2\pi i xt}g(u)e^{-2\pi i xu}dudt\\
&=\mathcal{F}[f(x)]\mathcal{F}[g(x)]
\end{align}

である。
したがって、 (1)式の両辺をフーリエ変換してみると右辺は畳み込みであるので

\begin{align}
\mathcal{F}[\Gamma(D)f(x)]=\mathcal{F}[f(x)]\mathcal{F}[e^{-e^{-x}}]
\end{align}

となる。ここで反復指数の部分を、わかりやすいように元の式に戻しておいた。というか、写像として書くなら \exp^2_{1/e}:\mathbb{R}\to\mathbb{R}として、それを値として書くなら e^{-e^{-x}}としてという便宜上の問題なのだ。

ところで、ディラックデルタ関数 \delta(x)フーリエ変換は1になることは定義からしても明らかであるが、デルタ関数をこの式に代入してみると

\begin{align}
\mathcal{F}[\Gamma(D)\delta(x)]=\mathcal{F}[\delta(x)]\mathcal{F}[e^{-e^{-x}}]=\mathcal{F}[e^{-e^{-x}}]
\end{align}

というふうに、両辺がともにフーリエ変換された状態に変形できる。よって両辺をフーリエ逆変換して

\begin{align}
\therefore\ \Gamma(D)\delta(x)=e^{-e^{-x}}
\end{align}


という式を得る。
タイトル通り言いたかったことはこれだけなのだが、長々説明してしまった。これはつまり、デルタ関数をガンマ関数で微分すると反復指数になるということであるが、はたして本当にこれは成り立つのだろうか? 成り立つとして、ここからなにか有用な結果を導くことができるのだろうか?

ちなみに、  y=e^{-e^{-x}}は以下のようなシグモイド型の単調なグラフになる。

y = e^{e^{-x}}

だが、冒頭でも述べたとおりこれを(不定積分しようものならそれは高等関数になる。厳密にはリゥヴィルの判定法という、ある積分が初等関数で表せるかどうかを判定する方法がありそれでわかるのだが、この積分に関しては指数積分というれっきとした名のついた高等関数に変形できる。

したがって、

\begin{align}
\int^{1}_{0}e^{-e^{-x}}dx\tag{2}
\end{align}

という、一見なんとかこねくり回せば解けそうな積分も結局は閉じた式で書き表すことはできない。積分範囲に理由はない、というか被積分関数からすると不自然な範囲だろう。
余談だが、私は中学二年のときに、東大の文化祭に行ってそこの数学科で開催されていた積分100問を早く解く大会みたいなので優勝したことがあるほど、積分が得意である。ちなみに2位は数学科の人で、大差をつけて自分が勝った。だから大抵の積分は見ただけで解けるかどうかわかる(解が分かるとはかぎらない。。。)のだが、上式のように一見解けそうで解けないというのがもどかしい。

余談に余談だが、つい最近

\begin{align}
\int^{1}_{0}\log \Gamma(t)dt
\end{align}

という積分が解ける(というか解が知られている)ことを知った。相反公式 \Gamma(t)\Gamma(1-t)=\pi / \sin\pi tを使うと解ける。
具体的には、

\begin{align}
\int^{1}_{0}\log \Gamma(t)dt&=\int^{1}_{0}\log \Gamma(1-t)dt\\
&=\int^{1}_{0}\log\left(\frac{\pi}{\sin\pi t}\right) - \int^{1}_{0}\log \Gamma(t)dt\\
&=\frac{1}{2}\left(\log\pi - \int^{1}_{0}\log\sin(\pi t) dt\right)
\end{align}

ここで、 \sin\pi(1-t)=\sin\pi tや、 \sin\pi t =\sin 2\pi t / 2\cos \pi t \cos\pi(1/2 -t)=\sin\pi tなどの三角関数の基本的性質を駆使すると

\begin{align} 
\int^{1}_{0}\log\sin(\pi t) dt &=\int^{1/2}_{0}\log\sin(\pi t) dt + \int^{1}_{1/2}\log\sin(\pi t) dt\\
&= 2\int^{1/2}_{0}\log\sin(\pi t) dt\\
&= 2\int^{1/2}_{0}\log\frac{\sin 2\pi t}{2 \cos \pi t} dt\\
&= -\log 2 + \int^{1}_{0}\log\sin(\pi t) dt - 2\int^{1/2}_{0}\log\sin(\pi t) dt\\
&= -\log 2
\end{align}

が分かる。最後から二番目の式の第2項と第3項は、それぞれ一行目の左辺と右辺であるので、きれいに打ち消されている。
これにより

\begin{align}
\int^{1}_{0}\log \Gamma(t)dt=\frac{1}{2}\log(2\pi)
\end{align}

となる。なんともきれいな結果だ。

そうして、もう一度 (2)式を見てみよう。ねんのため再掲しておく。

\begin{align}
\int^{1}_{0}e^{-e^{-x}}dx
\end{align}


なんでさっきの積分が解けてコレがとけないんだ!?という気がしてこない? え、当然? あ、そう。まあどっちでもいんだけど。

このような一連の結果が示唆することとは、つまり積分するという行為の上では指数〜多項式〜対数レベルの世界ではおおよそ初等関数で表せるが、一度その世界から足を踏み外してしまうと、それまでの常識が通用しなくなるということなのだ。

この観点を踏まえると (1)

\begin{align}
\int^{1}_{0}e^{-e^{-x}}dx&=\int^{1}_{0}\Gamma(D)\delta(x)dx
\end{align}

というのは、それまでの常識を打ち破る何かを秘めているようにも見えてくる。

たとえば、
\begin{align} 
\int^{1}_{-1}D \delta(x)dx = [\delta(x)]^{1}_{-1}=0
\end{align}

であろうから、 D \Gamma(D)とのあいだに生ずる歪みのようなものを取っ払ってやれば、上の式も解けるのではないか、、、という淡い期待を抱かざるを得ない。

しかしながら、多分これ以上の詮索はあまり意味がないと思う。

もし画期的ななにかがあるとしても、それはここから生まれるものではなくてもっと上位の概念から生まれる高度なものに違いない。新しい概念を生み出すことは全くもって容易ではない。現在地球上に80億人いて1000年分の人口が集まっていると言われている中、それぞれの分野においてかつてないほどの競技人口がひしめき合い、今も世界のどこかで自分より頭のいい人たちが何かを変えようとして必死に頑張っている。そんな中で、いち素人が現状のまま成功できるだろうという考えは甘すぎる。

だから今自分ができることは、とにかく最新の数学・物理学を習得するまで努力研鑽し続けることだ。


とはいったものの、このままではなんとなく物足りないため、最後にちょっと変わった面白い等式を紹介したいと思う。上のことについて考えていたときについでに自分で導いたものなんだけど、すでにガウスオイラーあたりがやっていそうで怖い。てか、やってるだろうな。

反復指数に関する積分
\begin{align}  
\int^{\infty}_{-\infty}e^{-x}e^{-e^{-x}}\left(1-e^{-e^{-e^{-x}}}\left(1-e^{-e^{-e^{-e^{-x}}}}\left(\cdots \right)\right)\right) dx = \Omega
\end{align}
ここで \Omega=e^{-\Omega}はランベルトのオメガ定数 \simeq  0.5671432904

証明.

 \rm{rex}(x):=\exp_{1/e}(x)=e^{-x}, x\in\mathbb{R}とする。
まず無限テトレーションの収束 | Mathlogで示されている通り、 e^{-e}\leq a \leq e^{1/e}のとき a^{a^{\cdot^{\cdot^{\cdot}}}}は収束するから、 \lim_{n\to \infty}\rm{rex}^{n}(0)=e^{-e^{\cdot^{\cdot^{\cdot}}}}=(1/e)^{(1/e)^{\cdot^{\cdot^{\cdot}}}}も収束し、 \Omega=e^{-\Omega}=\cdots=e^{-e^{\cdot^{\cdot^{\cdot}}}}で与えられる。

また n \geq 2のとき、 \lim_{x\to -\infty}\rm{rex}^{n}(x)=\lim_{x\to -\infty}\rm{rex}^{n-1}(e^{-x})=\lim_{x\to -\infty}\rm{rex}^{n-2}(e^{-e^{-x}})=\rm{rex}^{n-2}(0)である。

次に、合成関数の微分から、

\begin{align}
\frac{d}{dx}\rm{rex}^{n}(x)=\left(-\frac{d}{dx}\rm{rex}^{n-1}(x)\right) \cdot \rm{rex}^{n}(x)=(-1)^n \prod^n_{k=1}\rm{rex}^k(x)
\end{align}

が分かるから、右辺を積分することで、

\begin{align} 
\int^{\infty}_{-\infty}(-1)^n \prod^n_{k=1}\rm{rex}^k(x)dx &= \int^{\infty}_{-\infty} \frac{d}{dx}\rm{rex}^{n}(x) dx \\
&=\rm{rex}^{n}(\infty)-\rm{rex}^{n}(-\infty)\\
&=\rm{rex}^{n-1}(0)-\rm{rex}^{n-2}(0)
\end{align}

一方、三行目について n\geq 2の範囲で和を取るとこれはtelescoping series(望遠鏡級数)であり、和が徐々に打ち消されて \rm{rex}^{\infty}(0)-\rm{rex}^{0}(0)= \rm{rex}^{\infty}(0)=\Omegaになる。
また n\geq 2のとき任意の実数 xについて 0<\rm{rex}^n(x)<1であることは容易に分かるので、 a_n=\prod^n_{k=1}\rm{rex}^k(x)とすると、 a_nは単調減少で lim_{n\to \infty}a_n=0を満たすから、交代級数 \sum^{\infty}(-1)^n a_nAlternating series testを満たし、収束する。これにより総和記号と積分の入れ替えが可能となり

\begin{align}
\Omega &= \int^{\infty}_{-\infty}e^{-x}e^{-e^{-x}}-e^{-x}e^{-e^{-x}}e^{-e^{-e^{-x}}}+e^{-x}e^{-e^{-x}}e^{-e^{-e^{-x}}}e^{-e^{-e^{-e^{-x}}}}+\cdots dx\\
&=\int^{\infty}_{-\infty}e^{-x}e^{-e^{-x}}\left(1-e^{-e^{-e^{-x}}}\left(1-e^{-e^{-e^{-e^{-x}}}}\left(\cdots \right)\right)\right) dx
\end{align}

を得る。


\begin{align}
\end{align}

*1:ちなみに初等関数というのは、代数関数、三角関数・逆三角関数、指数関数・対数関数及びそれらの組み合わせの、いわば文字通り初等的な関数のことで、たとえば (x-1)^2とか、 \frac{\sin x}{x}なども初等関数となる。 高等関数というのは初等関数ではない関数である。  \zeta(s)\Gamma(s)などがそれに含まれる。

AppleStoreリリースの手順【初回ver】




この記事では、[iPhone] iOSアプリを登録、申請して公開するまで | iOS アプリ開発を参考にして、さらに詳しくAppleStoreへのアプリのリリース手順を説明していきます。全体の流れを考えて、参考にしたページのやり方とは順番が異なりますのでご注意ください。
最初からきちんと実行していけばリリースできるようになっています。

初めてリリースするときと、2回目以降でかかる負担が大きく違うので初回は初回で記事にします。

費用

$99/year(年間99USドル)
= 約1万円 / 年

使うサイト・ゴール


一連の流れの中で使うサイトはこの2つのみです。


1、Certificates,Identifiers&Profiles
2、AppleStoreConnect



これらはログインが必要なので、後で説明します。





その2つのサイトの、私の場合の画面です。

最終的にこんな感じになるとイメージすればゴールが見えて良い感じになると思います。
ここで、1の画像の項目には、こう書かれています。


以下に手順を掲載しました。
手順0は、アカウントの作成です。
手順1は、アプリを提出する準備です。この画像の項目を1つずつ完了させていくだけです。
手順2は、実際にアプリを審査に提出するものです。



手順

0:アカウント作成
1:証明書、識別子&プロファイル
 1ー1:Certificate作成
 1ー2:Identifier作成
 1ー3:Device登録
 1ー4:Profile作成
2:AppleStoreConnect
 2−1:アーカイブ
 2−2:アプリ情報の記入 & アプリ提出


0:アカウント作成

アプリを提出するためには、アップルデベロッパーというサイトのアカウントを作らなければなりません。
この項ではアカウントの作成手順を述べます。

まず、Sign In - Appleにアクセスしましょう。



「今すぐ作成」


アカウント登録の画面に進むので、手順通りにすすめ登録をしましょう。


利用規約に同意 -> 送信
ページを進めていくと、このように英語の利用規約が表示されますので、画像の通り上のチェックボックスにチェックを入れて、Submit(送信)します。

下のチェックボックスは、「アップルデベロッパーからのニュースを受け取りますか?」なのでメールをニュースでいっぱいにしたくない方は外した方が良いでしょう。



アップルデベロッパプログラムに加入 -> 登録
すると、アカウント画面に遷移しますで、下の「Join the Apple Developer Program」と書かれたものを押し、「Enroll」を押して下さい。


私はすでに加入したので割愛しますが、手順に沿って進めて下さい(ここがわからないという点があれば、ぜひコメント欄かzhalen.numao@gmail.comまでお問い合わせください)。
年会費(99ドル)の支払いのためクレジットカード情報が必要となります。確かMacの方にもクレジットカード情報を追加しなければなりませんので、ご留意ください。



※「Sorry〇〇」と出てきた場合
日本では18歳未満の方は加入できません
18歳未満で登録すると残念ながらこのような画面となり弾かれます。
実際私は加入しようとした時まだ16であったので、母名義でアカウントを作り直しクレジットカードを記入する場面だけ手伝ってもらいました。

ですので、このように出た方は親御さんかもしくは信頼できる成人の方の同意を得た上でその人名義でアカウントを作り直して下さい。




1:証明書、識別子&プロファイル

アカウント登録が完了しましたら、次はアプリの提出をする下準備をします。

1ー1:Certificate作成


Certificate とは、証明書のことです。即ち、きちんと自分がそのアプリの管理者なんだということを示すものとなります。



デスクトップ -> 「LaunchPad」 -> 「その他」 -> 「キーチェーンアクセス」
キーチェーンアクセスを開きます。





そのまま、画面の上にあるタブの中から
「キーチェーンアクセス」 -> 「証明書アシスタント」 -> 「認証局に証明書を要求」


※りんごマークの横にキーチェーンアクセスと書かれていない場合
このように、キーチェーンアクセスをもう一度選択してください



すると、証明書アシスタントが開かれますのでこの画像のようにします。(※この画像では私の場合の入力をしています)

・ユーザーのメールアドレス:管理者のメールアドレスをご記入ください
・通称          :ニックネーム(任意)をご記入ください
・CAのメールアドレス   :無記入
・要求の処理       :ディスクに保存・鍵ペア情報を指定を選択してください


「続ける」 -> 「保存」





「続ける」 -> 「完了」


そうしましたら、再度Sign In - Appleにログインしてください。
こんな感じの画面になっているはずですので、青いボタンを押して Certificate(証明書)を追加します。


iOS〇〇 -> Continue
このような画面になるので、それぞれアプリが開発用であれば「iOS Development」、製品用であれば「iOS Destribution(App Store and Ad Hoc)」を選択し、「Continue」を選択します。



「Choose File」 -> さっき作った証明書 を選択 -> 「開く」 -> 「Continue」
どの証明書を使うのか選択を迫られるので、さっき作ったファイルを選びましょう。そして再度、「Continue」を選択し次へ進みます。




「Download」 -> 「OK」

これで証明書をダウンロードできたので、1ー1:Certificate作成は完了です。


1ー2:Identifier作成


Certificate(証明書)は証明書の使用期限が切れるまで使えるのに対し、Identifier(識別子)はその名前通り、アプリの固有IDですのでアプリごとに作らなければなりません。




青いボタン -> Continue -> Continue
Certificateの時と同様に、新しく追加するために青いプラスボタンを押します。そこからIDの種類を選択する画面になりますが、ここでは通常のAppを想定しているので、そのままAppIDs -> Appと選択された状態で次に進みます。





アプリの説明を記入 -> バンドルIDをコピペ -> Continue
Desription(説明)の部分に、適当にアプリの説明を記入しましょう。

Bundle IDとは、アプリを開発するためのソフト「Xcode」に記載されている、アプリごとの識別子のことです。この画像は、実際に私が開発した(が経営不振の)SNSアプリ-Vote.での開発画面です。矢印のとこにBundleIDがあります。


そしてDescription(説明)BundleIDも入力し終わったら、Continueで次に進みます。



※アプリにCapabilityを付与していた場合
Capability とは、直訳すると「性能」です。Capability をアプリ内に付与する場合は開発途中で TARGETS -> Signing & Capabilitiesの中に追加しているはずですので分かると思いますが、特に思い当たる節がなければ飛ばして大丈夫です。

Capability を一覧にするとこんな感じです。カスタムフォントを追加していた場合は「Fonts」にチェックを入れますし、プッシュ通知を実装していた場合は「Push Notiication」に入れます。

1ー3:Device登録


1−4のプロファイル作成でスマホなどのデバイス情報が必要となるので、お使いの端末を用意しましょう。
そのため、端末の UDID(Unique Device Idenifier = デバイスの固有ID)を取得する必要があるのですが、この場合において主な取得方法は2つあります。

事前に、ライトニングケーブルでパソコンと端末を繋げてください。
ライトニングケーブルとは、充電器についてるコレです。私のパソコンだけか分かりませんがスマホとうまく繋がるのは非常に稀で、大体途切れとぎれになってしまいうまく接続できずにその日は諦めます。ただ、今日撮影用に久しぶりにケーブルを繋いだらうまくいきました。よかったです。

UDIDの取得方法1:「ミュージック」を使う

まず「ミュージック」を開きます。


そうしましたら、「バイス」を選択します。この項目はケーブルが正常に接続されていないと表示されないので、もし表示されてなかったら再接続するか、パソコンと端末を再起動するか、もしそれでも直らなければまた何時間か待つと良いです(経験則)。


すると端末の情報が表示されるので、一回これをクリックします。するとシリアルナンバーとUDIDが表示されるので、この「UDID」をコピーしましょう。
(コピーするコマンドは ⌘C です)

UDIDの取得方法2:「Xcode」を使う

取得方法1で取得できた方は、飛ばしてください。逆に取得方法1でうまくいかなかった場合こっちの方法で試してみてください。

画面の上のタブから、「Window」 -> 「Device and Simulators」を選択します。


端末の情報が表示されるので、「Identifier」をコピーします。これがUDIDです。


無事UDIDが取得できましたら、次はまたこの画面です。

プラスボタン


この、「Device Name」には、"iPhone 12" でも "My iPhone 12" でも良いですし自分でわかるように端末の名前を書きましょう。そして「Device ID(UDID)」には、先ほどコピーしたUDIDをペーストします(ペーストのコマンドは ⌘V です)。


記入したらContinueで次へ進み、手順に沿って完了しましょう。私にはもう追加できるデバイスがないのでその画面は撮影できません。


きちんと追加できていることが確認できたら、1ー3:Device登録は完了です。


1ー4:Profile作成


いよいよ手順1もラストです。「Profile」は実際のアプリの提出準備用ファイルを作成するためのもので、手順1の集大成のようなものです。また、Identifierと同様に各アプリごとに作ります。


プラスボタン


製品用なら「App Store」、開発用なら「iOS Development」 -> Continue


「App ID」を選択 -> Continue
この「App ID」には、1−2で作成したIdentifierを選択します。そしてそのままContinueで次へ進みます。

Certificate を選択し -> Continue
1−1で作成したCertificateを選択し、Continueです。


名前をつける -> Continue
次は、自分でわかるようにプロファイルの名前をつけます。そしてContinue


Download -> OK
プロファイルをダウンロードして、OKです。

戻って無事に、追加されていたら完了です。


これで、1ー4:Profile作成 および 手順1は終了です。

手順1をまとめると、「証明書作って識別子作ってUDID取得してアプリのプロファイルを作ってダウンロードした」という感じです。


2:AppleStoreConnect

手順2では、AppleStoreConnectというサイトを使います。手順1のはじめと同様に、https://appstoreconnect.apple.com/にログインします。
手順1が同じようなことの繰り返しでジメジメしていたのに対し、手順2の AppleStoreConnect は明るく分かりやすいイメージです。


2−1:アーカイブ

「マイApp」 -> プラスボタン -> 「新規App」
AppleStoreConnect にリリースしたいアプリを追加します。

アプリについての情報を求められるので、必要事項を記入していきましょう。

・プラットフォーム:この記事ではiOSを想定しているので、「iOS
・名前      :この名前が実際に、アップルストアに公開される名前となります
・プライマリ言語 :日本語が使われていない国で適用される言語ですので、英語をおすすめします。
・バンドルID    :Certificateで作成したIDを選択します
・SKU      :他のアプリと被らないような識別子(アプリによってはFirebaseなどで使うこともあります)
・ユーザアクセス :アプリを閲覧できる(使用できる)ユーザーを設定するかどうか


作成したら、今度は Xcode に戻ってアプリをアーカイブします。アーカイブXcode から AppleStoreConnect に情報を受け渡すための準備室のようなものです。そしてアーカイブの前に、バージョンとビルドを1.0.0に設定します。

目安
・バージョン審査が通った際、数字を上げる
・ビルド  :アーカイブする際、数字を上げる

「Product」 -> 「Archive」


なかなか凝ったアプリであれば、アーカイブの時間はとても長いのでその間に仮眠をとったりしてます。

アーカイブが終わると、「Archives」が開かれます。最初なので一個しかありませんが、ここにはそのアプリのアーカイブの記録が残ります。



「Validate App」 -> Next -> Next -> Validate
Validate とは、直訳で「有効にする」です。valid が「妥当な」とかなのでこれはアプリを認証させるという認識でOKだと思います。
上の画像で「Validate App」を押し、そのまま Next、Next、Vaidate です。例えばProvisioning Profile などを変更した場合は、二枚目の画像でManuallyにしないといけないそうですが特に思い当たる節がなければ大丈夫です。




しばらくするとValidateが成功してこうなります。



「Distribute App」 -> Next × 4 -> Upload
Distribute をすることで、AppleStoreConnect にアプリのデータをアップロードします。
今度は「Distribute App」です。こちらも Validate と同様に、特に心当たりがなければ Next で大丈夫です。\
\begin{align}\vdots\end{align}


アップロードが完了すると、でっかいチェックマークとともにメッセージが出るのでこれが成功の合図です。とにかくこれでアーカイブの流れは終了したので、次は本格的に AppleStore に表示するアプリの情報を書いていきます。


2−2:アプリ情報の記入 & アプリ提出


ようやく、アプリ提出です。

AppleStoreConnect で、必要な項目を埋めてください。主にこちら側が変更する項目をまとめました。

App情報



スクリーンショット
AppleStore で表示されるので分かりやすくかつ印象に残りやすいデザインを・・・とか思って審査に提出すると、「よくわからんから却下」と言われるので注意。Apple いわく、実際にアプリを使っている場面であることなどが重要らしい。



・プロモーション用テキスト
審査せずに更新可能なテキスト。リアルタイムに機能を知らせられる。



・概要
アプリの概要また、プライマリ言語を外国語に設定している場合、一回言語を変更してからその言語での概要も新しく書きます。



・キーワード
検索に引っ掛けるワード。アプリの名前はデフォルトで検索にかけられるようになっているので、例えば LINE だったら「らいん, ライン」とか。カンマ区切りで複数登録可能。また、プライマリ言語を外国語に設定している場合、一回言語を変更してからその言語でのキーワードも新しく書きます。



・サポートURL
開発者(管理者)にコンタクトの取れるURL



マーケティングURL   
アプリの宣伝用のサイトなどがあれば記載。



・ビルド
アーカイブしたものを選択。アーカイブ完了から反映されるまで少し時間がかかる。



著作権
例1(個人)「2021 Yamada Taro」、例2(法人)「2021 YAMADA Inc.」



・バージョン       
現在のバージョン



・コンテンツ配信権    
「一般」の「App情報」を押すと出ます。アプリの中に第三者サードパーティ)製のものが含まれている場合、その配信権、表示する権利を有しているかどうかを聞かれます。



・プライマリカテゴリ   
アプリのカテゴリを選択肢の中から選びます。



・年齢制限指定      
「リアルな暴力的表現」や「ホラー/恐怖に関するテーマ」などの項目があるが、「過激な性的表現およびヌード」にチェックをつけると1発でアウト。そうでなくとも、だいたい3つくらいにつけるとアウト。



・サインイン情報     
もし SNSアプリなどでログイン機能をつけている場合は「サインインが必要です」にチェックを入れて、ログイン可能なメールアドレスを記入する。するとAppleの審査員はそれでログインしてアプリを使って審査する。「メモ」には補足情報を書く。私の場合は、使い方を書いた記事のURLを貼った。



・連絡先情報       
基本的に自分の連絡先ですが、それが無理である場合、開発関係者のうちアプリの問い合わせなどに応答できる人を選びましょう。また、電話番号は先頭に国番号をつけてください。電話番号を「090-1234-5678」とした場合、日本の電話番号なら「+819012345678」と記入してください。



・広告ID(IDFA)     
アプリ内に広告を入れている場合、「はい、IDFAを使用します」。そうでなければ「いいえ」

価格および配信状況



・価格表         
有料アプリをご希望の場合、その価格を選びます。最高値は 119800円です。(有料App を作ったことがないので以下割愛します)

App のプライバシー



・プライバシーポリシー  
ブログでもよいのでプライバシーポリシーを書いたURLを貼ります。また、プライマリ言語を外国語に設定している場合、一回言語を変更してからその言語でのプライバシポリシーURLも新しく書きます。



・データ収集       
この画像の「はじめに」を押すと出ます。そのアプリが、ユーザーからどんなデータを集めたりどういうふうに解析したり応用したりしているかというのをかなり細かく聞かれますが、基本的に手順に沿っていけばすぐに終わります。


全て入力し終わったら、「審査へ提出」を押しましょう(もし見当たらない場合は、「機能」 -> 「App Store」で表示されます)。


審査が通過したら、アプリは無事公開されます。


以上です

ζ(2k+1) の漸化式

\ \zeta(2k+1)\ の漸化式
\ \zeta(s)\ はリーマンのゼータ関数自然数\ k≥1\ 、また


\begin{align}
&\xi_k := \frac{(-1)^{k - 1}(2\pi)^{2k}}{(2k)!(2^{2k+1}-1)}\\
\\
&\xi(2k+1) := \frac{1}{\xi_k} \zeta(2k+1)\\
\\
&\theta_k := \frac{2^{2k} - 1}{2^{2k+1} - 1}\\
\\
&s_k := 2^{2k}\log\mathcal{S}_{2k+1}(1/2)
\end{align}


と定義すると、


\begin{align}
\xi(2k+1) = \log 2 - s_k - \sum^{k - 1}_{m = 1}
\left(
\begin{array}
\ 2k \\
2m
\end{array}
\right)
\theta_m \xi(2m + 1)
\end{align}


が成り立つ。ここで\ \mathcal{S}_k\ とは多重三角関数のことで、


\begin{align}
\mathcal{S}_r(x) &:= e^{\frac{x^{r - 1}}{r - 1}}\prod_{l\in \mathbb{Z}_{\neq 0}}P_r(x/l)^{l^{r - 1}}\\
P_r(x) &:= (1-x)\exp\left\{\sum^{r - 1}_{k = 1}x^k / k\right\}
\end{align}


である。


Lemmas

1

Lemma_1
複素数\ s\ に対し、

\begin{align}
\sum^{\infty}_{n=1}\frac{(-1)^{n - 1}}{n^s} = (1 - 2^{1 - s})\zeta(s)
\end{align}


\begin{align}
\sum^{\infty}_{n=1}\frac{(-1)^{n - 1}}{n^{s}} &= 1 - \frac{1}{2^s} + \frac{1}{3^s} - \frac{1}{4^s} + \cdots\\
&= \left(1 + \frac{1}{2^s} + \frac{1}{3^s} + \frac{1}{4^s} + \cdots\right)\\
& - 2\left(\frac{1}{2^s} + \frac{1}{4^s} + \cdots\right)\\
&= \zeta(s) - 2^{1-s}\zeta(s) = (1 - 2^{1 - s})\zeta(s)
\end{align}

2

Lemma_2


\begin{align}
\sum^{\infty}_{n=1}\frac{(-1)^{n-1}}{n} = \log 2
\end{align}



リーマンゼータ関数の極は\ s = 1\ で一位であり、留数は1と知られているのでLemma_1を用いて\ (1 - 2^{1 - s})\zeta(s) \to (1- 2^{1 - s})/ (s - 1) \to \log 2\ (s\to 1)\ 。もしくは純粋に


\begin{align}
\log (1 + x) = \sum^{\infty}_{n=1}\frac{(-1)^{n - 1}}{n}x^n
\end{align}


より求まる。

2.5

Lemma_2.5
\ b\neq 1\ なら、

\begin{align}
a &= ba +c \\
&= \frac{c}{1-b}
\end{align}



3

Lemma_3


\begin{align}
\zeta(- k) = -\frac{B_{k+1}}{k+1}
\end{align}


ここで\ B_k\ はベルヌーイ数。ベルヌーイ数とは、


\begin{align}
\frac{x}{e^x - 1} = \sum^{\infty}_{n=0}\frac{B_n}{n!}x^n
\end{align}


となる数のことで、\ n≥1\ ならば\ B_{2n+1} = 0\ である。

4

Lemma_4(named: "反復積分に関するコーシーの公式")
実数\ x_0\ を起点とする\ n\ 回の不定積分を考える。積分演算子\ J\ とし、\ f\ \ \mathbb R\ で連続であるとき、


\begin{align}
J^n f(x) :&= \int^{x}_{x_0}\int^{t_{n - 1}}_{x_0}\cdots\int^{t_1}_{x_0}f(t_0)dt_0\cdots dt_{n - 1}\\
&= \frac{1}{(n - 1)!}\int^{x}_{x_0}(x - t)^{n - 1}f(t) dt
\end{align}


が成り立つ。

帰納法で示す。\ n = 1\ のとき明らかに正しい。
\ n\ のときに成り立てば、


\begin{align}
J^{n+1}f(x) &= \int^{x}_{x_0}J^n f(t)dt\\
&= \int^{x}_{x_0}\frac{1}{(n - 1)!}\int^{t}_{x_0}(t - u)^{n - 1}f(u)dudt\\
&= \frac{1}{(n - 1)!}\int^{x}_{x_0}\int^{x}_{u}(t - u)^{n - 1}f(u)dtdu\\
&= \frac{1}{n!}\int^{x}_{x_0}(x - u)^n f(u)
\end{align}


となり確かに正しい。

5

Lemma_5
\begin{align}
\mathcal{S}_k(x)=\exp\left\{\int^{x}_{0}\pi t^{k - 1}\cot(\pi t)dt\right\}
\end{align}



定義式


\begin{align}
\mathcal{S}_k(x) &:= e^{\frac{x^{k - 1}}{k - 1}}\prod_{l\in \mathbb{Z}_{\neq 0}}P_k(x/l)^{l^{k - 1}}\\
P_k(x) &:= (1-x)\exp\left\{\sum^{r - 1}_{k = 1}x^k / k\right\}
\end{align}


を対数微分すると、右辺は\ \sum_{l\in\mathbb Z}x^{k - 1}/ (x - l)\ となる。一方、三角関数因数分解(っぽいやつ)


\begin{align}
\sin(\pi x) = \pi x\prod_{l\in\mathbb N}\left(1-\frac{x^2}{l^2}\right)
\end{align}


を対数微分すると、


\begin{align}
\pi \cot(\pi x) = \sum_{l\in \mathbb Z}\frac{1}{x - l}
\end{align}


となる。\ \mathcal{S}_k(0) = 1\ であるから、


\begin{align}
\mathcal{S}_k(x) = \exp\left\{\int^{x}_{0}\pi t^{k - 1}\cot(\pi t)dt\right\}
\end{align}


である。


Proof

\ \stackrel{n}{=}\ は、それが使われている式と上の式の間で、Lemma_nを使ったことを意味する。


\begin{align}
\zeta(2k+1):&=\sum^{\infty}_{n=1}\frac{1}{n^{2k+1}}\\
&=
\sum^{\infty}_{n=1}\frac{(-1)^n}{n^{2k+1}}\cos(\pi n)\\
&=
\sum^{\infty}_{n=1}\frac{(-1)^n}{n^{2k+1}}\sum^{\infty}_{m=0}\frac{(-1)^m}{(2m)!}\pi^{2m}n^{2m}\\
&=
-\sum^{\infty}_{m=0}\frac{(-1)^m}{(2m)!}\pi^{2m}\sum^{\infty}_{n=1}\frac{(-1)^{n - 1}}{n^{2k+1-2m}}\\
&\stackrel{1}{=}
- \sum^{\infty}_{m=0}\frac{(-1)^m}{(2m)!}\pi^{2m}(1-2^{2m - 2k})\zeta(2k + 1 - 2m)\\
&=
-\left(\sum_{0≤m\lt k} + \sum_{m = k} + \sum_{m \gt k}\right)\text{中身} \\
&\stackrel{2}{=}
-(1-2^{-2k})\zeta(2k+1)-\sum^{k - 1}_{m=1}\frac{(-1)^{k - m}}{(2k - 2m)!}\pi^{2k - 2m}(1 - 2^{-2m})\zeta(2m+1)\\
& \ \ \ \ - \frac{(-1)^k}{(2k)!}\pi^{2k}\log 2\\
& \ \ \ \ - \sum^{\infty}_{m=1}\frac{(-1)^{m + k}}{(2m + 2k)!}\pi^{2m + 2k}(1 - 2^{2m})\zeta(1 - 2m)\\
&\stackrel{2.5,\ 3}{=}
\xi_k
\left \{
\begin{array}
\ \log 2 \\
- \sum^{k - 1}_{m=0}
\left(
\begin{array}
\ 2k\\
2m
\end{array}
\right)
\theta_m \xi(2m + 1)\\
- (2k)!\sum^{\infty}_{m = 1}\frac{(-1)^{m - 1}B_{2m}}{2m(2m + 2k)!}( (2\pi)^{2m} - \pi^{2m})
\end{array}
\right\}
\end{align}

\begin{align}
&\xi_k := \frac{(-1)^{k - 1}(2\pi)^{2k}}{(2k)!(2^{2k+1}-1)}\\
\\
&\xi(2k+1) := \frac{1}{\xi_k} \zeta(2k+1)\\
\\
&\theta_k := \frac{2^{2k} - 1}{2^{2k+1} - 1}
\end{align}


では次に、最後の行の、最後の項を母関数の特殊値として表現する。


\begin{align}
- (2k)!\sum^{\infty}_{m = 1}\frac{(-1)^{m - 1}B_{2m}}{2m(2m + 2k)!}( (2\pi)^{2m} - \pi^{2m})=-(2k)!(f(2\pi) - f(\pi) )
\end{align}


つまり、


\begin{align}
f(x) := \sum^{\infty}_{m = 1}\frac{(-1)^{m - 1}B_{2m}}{2m(2m + 2k)!}x^{2m}
\end{align}


である。これを微分して\ x^{2k+1}\ をかけたものを\ g(x)\ とおくと、


\begin{align}
g(x):= x^{2k+1}f^{\prime}(x) = \sum^{\infty}_{m = 1}\frac{(-1)^{m - 1}B_{2m}}{(2m+2k)!}x^{2m+2k}
\end{align}


次に、これを\ 2k\ 微分したものを\ h(x)\ とすると、


\begin{align}
h(x) := g(2k)(x) = \sum^{\infty}_{m=1}\frac{(-1)^{m - 1}B_{2m}}{(2m)!}x^{2m}
\end{align}


なので、ベルヌーイ数の定義


\begin{align}
\frac{x}{e^x - 1} &= \sum^{\infty}_{m = 0}\frac{B_m}{m!}x^m\\
&= 1 - \frac{1}{2}x + \sum^{\infty}_{m = 1}\frac{B_{2m}}{(2m)!}x^{2m}
\end{align}


より、


\begin{align}
h(x) &= 1 - \frac{1}{2}ix - \frac{ix}{e^{ix} - 1}\\
&= 1 - \frac{x}{2}\cot\left(\frac{x}{2}\right)
\end{align}


よって、Lemma_4(named: "反復積分に関するコーシーの公式")\ g(0)=0\ なので積分の起点は0)より、


\begin{align}
g(x) &= \int\cdots\int \left(1 - \frac{x}{2}\cot\left(\frac{x}{2}\right)\right)d^{2k}x\\
&= \frac{x^{2k}}{(2k)!} - \int\cdots\int \frac{x}{2}\cot\left(\frac{x}{2}\right) d^{2k}x\\
&= \frac{1}{(2k)!} \left\{ x^{2k} - 2k\int^{x}_{0} (x - t)^{2k - 1}\frac{t}{2}\cot\left(\frac{t}{2}\right)dt \right\}\\
&= \frac{x^{2k}}{(2k)!}\left\{1 - 2kx\int^{1}_{0}(1 - t)^{2k - 1}\frac{t}{2}\cot\left(\frac{xt}{2}\right)dt\right\}
\end{align}


で、


\begin{align}
f(x) &= \int \frac{1}{x^{2k + 1}}g(x)dx\\
&= \frac{1}{(2k)!}\left\{\log x - 2k \int^{1}_{0}(1-t)^{2k - 1}\log \sin\left(\frac{xt}{2}\right)dt\right\}
\end{align}


そして、元々考えていた\ -(2k)!(f(2\pi)-f(\pi))\ とは、つまり\ \sin(2x) = 2\sin x\cos x\ より、


\begin{align}
\ -(2k)!(f(2\pi)-f(\pi) ) &= -\log 2 + 2k\int^{1}_{0}(1 - t)^{2k - 1}\left(\log 2 + \log\cos\left(\frac{\pi t}{2}\right)\right)dt\\
&= 2k\int^{1}_{0}(1 - t)^{2k - 1}\log\cos\left(\frac{\pi t}{2}\right)dt\\
&= - \int^{1}_{0}\frac{\pi}{2}(1 - t)^{2k}\tan(\pi t / 2)dt\\
&= -\int^{1}_{0}\frac{\pi}{2}t^{2k}\cot(\pi t/2)dt\\
&= -2^{2k}\int^{1/2}_{0}\pi t^{2k}\cot(\pi t)dt\\
&\stackrel{5}{=}-2^{2k}\log\mathcal{S}_{2k+1}(1/2)\\
&= -s_k
\end{align}


となる。上記をまとめると、


\begin{align}
\zeta(2k+1) = \xi_k\left(\log 2 - s_k - \sum^{k - 1}_{m = 1}
\left(
\begin{array}
\ 2k\\
2m
\end{array}
\right)
\theta_m \xi(2m + 1)
\right)
\end{align}


\ \xi(2k+1) = \zeta(2k+1) / \xi_k\ なので、


\begin{align}
\xi(2k+1) = \log 2 - s_k - \sum^{k - 1}_{m = 1} {}_{2k} C _{2m} \theta_m \xi(2k+1)
\end{align}







多項間漸化式の母関数



調べても出てこないのでメモ。というか基本理念として、調べても出てこないものばかり記事にする。そもそも、収益や閲覧数を目的としていないのでそれは必然的だ。
また、昨日家に出現したゴキブリを退治しようとしたところ、右手中指を骨まで切断。金がないので病院に行けず、応急措置を誤ったため断層が発現し、多分なにもしなければ二度と元どおりには治らない。そのため、4本指のタイピングが上手くなる。

多項間漸化式の解
k\ 項間漸化式


\begin{align}
a_{n + k - 1}=\sum^{k - 2}_{m = 0}b_m a_{n + m}
\end{align}


の母関数は


\begin{align}
F(x) &:= \sum^{\infty}_{n = 0}\frac{a_n}{n!}x^n\\
&= \sum^{k - 2}_{m = 0}\frac{P_{k, m + 1}(x)}{P_{k, 0}(x)}a_m x^m
\end{align}


となる。ここで


\begin{align}
P_{k, m}(x)
:=
\begin{cases}
1 - \sum^{k - 2}_{l = m}b_l x^{k - 1 - l} & (m < k - 2)\\
1 & (m = k - 2)
\end{cases}
\end{align}

である。

また、上記では\ b_m\ としているが、\ b_{km}\ のように\ k\ に依存していてもいい。ただ\ n\ にまで依存すると解は別の形になる。(一項間の場合は自明とした。

Proof

まず、級数の中で\ a_{n + k - 1}\ をくくり出してやる。


\begin{align}
F(x) = \sum^{k - 2}_{n=0}a_n x^n + \sum^{\infty}_{n=k - 1}a_n x^n
\end{align}


右辺第二項は、


\begin{align}
\text{右辺第二項} &= \sum^{\infty}_{n=0}a_{n + k - 1}x^{n + k - 1}\\
&= \sum^{\infty}_{n=0}\sum^{k - 2}_{m=0}b_m a_{n + m}x^{n + k - 1}\\
&= \sum^{k - 2}_{m=0}b_m x^{k - 1 - m}\sum^{\infty}_{n=0}a_{n+m}x^{n+m}\\
&= \sum^{k - 2}_{m=0}b_m x^{k - 1 - m}\left(F(x) - \sum^{m - 1}_{n=0}a_n x^n\right)
\end{align}


であり、これを上式に代入すると


\begin{align}
F(x) = \sum^{k - 2}_{n=0}a_n x^n + \sum^{k - 2}_{m=0}b_m x^{k - 1 - m}\left(F(x) - \sum^{m - 1}_{n=0}a_n x^n\right)
\end{align}


なので右辺の\ F(x)\ を左辺に移項して係数で割ると


\begin{align}
F(x) = \frac{\sum^{k - 2}_{n=0}a_n x^n - \sum^{k - 2}_{m = 0}\sum^{m - 1}_{n = 0}b_m x^{k - m + n}a_n}{1 - \sum^{k - 2}_{m = 0}b_m x^{k - m}}
\end{align}


となる。\ 0≤n≤m - 1,\ 0≤m≤k - 2\ であることから、\ 0≤n≤k - 3,\ n + 1≤m≤k - 2\ として右辺分子第二項の和を入れ替える。


\begin{align}
F(x) &= \frac{\sum^{k - 2}_{n=0}a_n x^n - \sum^{k - 3}_{n = 0}\sum^{k - 2}_{m = n + 1}b_m x^{k - m + n}a_n}{1 - \sum^{k - 2}_{m = 0}b_m x^{k - m}}\\
&= \frac{a_{k - 2}x^{k - 2} + \sum^{k - 3}_{n = 0}(1 - \sum^{k - 2}_{m = n + 1}b_m x^{k - m})}{1 - \sum^{k - 2}_{m = 0}b_m x^{k - m}}\\
&= \sum^{k - 3}_{m = 0}\frac{P_{k, m + 1}(x)}{P_{k, 0}(x)}a_m x^m
\end{align}


よって題は示された。□